第一部完結!土方歳三とは「月明星稀」の「星」・・・!
レビュー日:2004-05-25 評価:★★★★★
第1巻に引き続き、多磨での青春時代が描かれる。強く武士になりたいと願う土方歳三はしかし、剣の腕では沖田総司にまったくかなわない。そんな歳三が黒船を見に行って以来気になっていた一人の人物がいる。坂本龍馬だ。その龍馬に会いに北辰一刀流の千葉道場(通称:小千葉)へ坂本と仕合いに出向く。そこで学んだ剣の極意、そして坂本から問い詰められた「なぜ今、武士なのか?」。坂本との出会いは、自分自身に己の生き方を深く問い直すきっかけとなる。そんな歳三を見て、「おまえは武士には向かない」と坂本は言う。しかし、同時に、彼は歳三が自らの優しさを葬り去ることができれば、大きく化けるであろうことをすでに予感していた。多感な青年期に様々な人間と出会い、日本という国そのものが時代の大きな流れの中で揺れ動く中、歳三もまた変化していく。道場での修業、他流試合、そして真剣を使っての勝負・・・自分のせいで道場がいざこざに巻き込まれ、特にまだ幼い総司を汚れた道に巻き込むのがしのびなくて、自ら道場を去り、独り、修業を積む。そして帰ってきた歳三は別人のように強く、冷徹な男に変わっていた。試衛館道場にも食客が増えて、永倉新八、原田左之助、山南敬助、藤堂平助といったおなじみのメンバーが登場する。歳三にとって、ここが自分の帰る場所であり、天然理心流の仲間こそが自分の守るべき存在と気づき、この人たちのために自分は戦おう、と決意する。近藤勇と坂本龍馬。この二人との出会いで少しずつ変わっていく歳三の運命・・・。二人が月とすれば歳三は星であるというこの物語のタイトルが意味深である。さて・・第2巻の最後に物語は第二部、京都編へ突入する。のっけから、インパクトの強い芹沢鴨が登場。まだ「壬生浪(みぶろ)」と呼ばれている後の新選組隊士たちがこれからどう生きるのか。続きが楽しみである。
多摩っ子土方さん三昧
レビュー日:2004-03-08 評価:★★★★☆
この巻では、1巻にも増して多摩時代の土方さんがめいっぱい描かれています。まだ新選組副長として剣の道を生きる覚悟に至っていない、迷いながらも懸命に剣を振り回す土方さんが新鮮。坂本竜馬との立会いに加え、一流派を背負って立つ武士・荒木との関わりから、生死を賭けた真剣勝負の武士道と、武士たるものがふるうべき剣を本当の意味で知ることになる土方さんの顔つきが、悩み多き青年らしくて感情移入できます。またそれぞれの戦闘シーンにも、スピードと緊張感の中に垣間見える心理描写が視覚的にきっちり描き込まれていて、なかなか迫力です。それとは対照的に少年の沖田総司は、生死や剣に対して非常にドライなので、土方さんの逡巡がよりいっそう浮き立ちます。この沖田像はけっこうツボです。どこか欠落した部分を埋めるように、近藤さんや土方さんに接しているような感じもして、早くも一抹の寂しさが漂っています。そんな土方さんや沖田の暗さをカバーするかのように、試衛館に集う食客の面々が個性的で魅力あり。永倉新八さんと原田左之助さんはワンセットで豪快なネタを披露してくれているし、山南さんと藤堂平助は北辰一刀流の同門ということでか、こちらもセットでご登場。永倉&原田組が体育会系のノリなら、山南&藤堂組は文化系?これであらかたメンツが揃いました!いよいよ京都の新選組が大活躍!芹沢鴨がかなりインパクトですが‥‥‥試衛館メンバーが美形豪傑そろいなので、たまにはこういうキャラも‥‥???